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コリーとシェルティの違い



良く似たコリーとシェルティの違いは、なんでしょう?
コリーとシェルティの犬種としての相違を理解することは、
それぞれの犬種にとって望ましい管理と飼育のために
大切なこととされています。

1.スタンダードからの比較

スターンダード(標準)とは、コリーがコリーらしい基準、シエルティがシェルティらしいとされる基準となるものです。展覧会に出陳し評価される基準となるのはもちろん、これがなければ、他の犬種との区別、雑種も純血種も無くなってしまいます。人間が犬を共に生きるパートナーとして、それぞれの目的に応じて長い年月をかけて改良・固定し、犬種の独自性の理想像を表現したものが各犬種の「スタンダード」です。
しかし、スタンダードは理想像なので、全てにおいて完璧基準をクリアしている犬などほとんどいないようです。たとえ基準から外れている部分が多いからといって、その犬が純血種とは認められないということはありません。あくまでも、その犬種の理想の姿の基準だと考えて下さい。
サイズ
コリーとシェルティの違いといえば、ちょっとした犬好きなら誰でも知っているように大きさの違いがあげられます。
スターンダードでは、コリーは大きすぎに見えたり小さすぎたりしなければよいとされていますが、シェルティの場合は、33〜40.6cmのサイズでなければ、展覧会の出陳を認めないことになっています。その範囲内のサイズでなければシェルティではないと言うのではありませんが、厳しい規定となっていることは事実のようです。
時々、小さめのコリーでは無いかと思うほど大きなシェルティちゃんや、歩くのもおっくうそうなにしている太りすぎの肥満シェルティちゃんを見かけることがあります。愛玩ペットとして飼っているので問題ないと思われますが、遺伝子的に大柄な場合を除いては、やはり太りすぎはワンちゃん自身にとって良いことではありません。多少太り気味程度は、かわいらしい感じがして問題ないと思うのですが・・・本来のシェルティらしい機敏な動きができないほど太ってしまいシェルティらしい生活ができないのは、問題です。足への負担により、股関節などの病気の原因にもなりますし、ワンちゃんも不本意なはずです。これは、全て飼主さんの責任ですので、せっかくシェルティという魅力的な犬に生まれて来たのですから、仔犬の時から、適切な食事バランス、年齢に応じた運動を心がけて、シエルティがシェルティとして生きられるように管理してあげて欲しいと思います。
毛 色
次に決定的な相違は毛色です。
コリーは、トライ、セーブル、ブルーマール、ホワイトの4色が認められていますが、シェルティは、ホワイトが認められていないことと、トライカラーのほかに黒と白、黒とタンの2色の毛色が認められていることがコリーとの大きな違いです。
気 質
コリーは見知らぬ人に対してもシャイに見えるほど警戒してはならないのですが、シェルティは、かなり強い警戒心が働く犬種であるとされています。小型化による防衛本能の強化という現象でもあると考えられます。

2.飼育のうえから

動 き
スタンダードから考えるコリーとシェルティの差は、普通の馬とポニーの関係に似ているだけですが、実際に二種を飼育している方からすると、かなり顕著な相違を見出すことができるようです。
そのひとつが動きです。シェルティは小型犬ですから、すばやい動きで小回りがききます。大きさからみると、高いところに飛びあがったり、飛び降りたりすることに大きな差異があるように思えるところですが、シェルティの方が動きが軽く、コリーの仔犬のように骨折したりすることが少ないようです。シェルティはコリーよりも身軽で活動的であると言えるようです。コリー数頭の中にシェルティが一頭だけ運動場にいるだけで、コリーが動かされ、ほどよい運動が出来るとさえ言われています。
確かに、ミルキーもお友達のシェルティによって走ることを促されて、良い運動をさせて貰っていることが多い気がします。前述の太りすぎのシェルティちゃんではありませんが、適度な体格をしているシェルティは小回りが聞いて、動きがコリーよりも軽快な気がします。太りすぎのシェルティはそれができず、あまり動かなくなり悪循環になるようです。
気 質
小型でコリーよりも神経質な気質をもった小回りのきくシェルティは、飼育環境やしつけの如何によってうるさくなりがちです。主人以外の人に親愛の情を容易に示さない気質は、極度のシャイを生み易いと言えましょう。
シャイというのは、言わば臆病な性質で、音響に対して極端に敏感で、こわがったり吠えたたてたりすること、知らない人が体に触れることを嫌って咬みついたり、逃げたりしたがることなどの表現の形をとります。
元来、シェルティは、そのようになりがちな気質を犬種としてもっています。このことは、それがよい面に出ると、頭のよさ、性能のよさ、主人に対する忠実さという美点となり、悪い面に出ると、うるさい神経質な犬と言われてしまいます。
コリーについても同じことが言えると思いますが、それは遺伝子的な問題と飼育管理上の問題との両面から判断しなければならない大きな課題だということです。
もちろん、個体差がありますので、ご自分の愛犬を良く観察し、犬と人の両方が幸せに暮らせるように、犬の特質をよく理解して扱ってあげて欲しいと思います。
参考文献:コリークラブ発行「仔犬の育て方」
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